段原の住宅街にある『悠然いしおか』。
友人から紹介されたのは、今年の4月だったでしょうか。
あれこれバタバタしているうちに月日が経ってしまいましたが、少し早めのクリスマスということで、12月の下旬に訪問して参りました。
お店の場所は、広島信用金庫段原支店の裏辺り。
3階建てのマンションの1階にお店を構えてらっしゃいます。
天然木の戸を引いて中に入ると、中は自然素材満載の設え。
壁は土壁、天井や扉の木材は杉なのかな。
そして驚きは、カウンターに使われている1枚物天然木。
樹種は分かりませんが、かなりの樹齢ではないでしょうか。
椅子は、マルニ木工の「HIROSHIMA」。
仕事で使ったことあるのですぐに分かりましたが、これ手触りが良いんですよね。
お店の切り盛りは、大将がお一人で。
ラッキーなことに、僕たちの席は蒸し器や焼き台の目の前で、手さばきが丸見えの特等席です。
この日お願いしていたのは、9,000円のコース。
さてさて、どんな感じだったんでしょうか。
まず登場したのは、すくも海老と野菜の雪花菜(きらず)和え。
いわゆる、卯の花和えです。
こりっとしたお野菜に、さらりとした卯の花。
出汁は主張し過ぎず、しかし余韻は長く続きます。
清冽で混じり気なし。
結構な引き算の一品で、実はこれが最も印象に残った料理でした。
続いては、地御前の牡蠣を使ったしんじょと聖護院大根の椀物。
離れていると節の香り、飲むと昆布の香りがそれぞれ立ってきます。
しんじょは強すぎない牡蠣の風味がいいですね。
そして、この緑色の野菜は聖護院大根の葉でしょうか。
ほろ苦さがアクセントになります。
お造りの準備が始まったので、お酒を日本酒にスイッチ。
久々の悦凱陣を。
米感があって旨いですねぇ。
そしてお造りは、まながつおの炙り・たいの昆布締め・たこの3種です。
普段食べるお造りってお皿一杯に造りやツマが盛られていて、ドーン!と出てくるのばかり。
お皿の絵柄を生かした盛り付けで出てくると、「はっ」とさせられますね。
日置桜の熱燗。
案外穏やか。
穴子のかぶら蒸し。
これ、凄いですよ。
かぶが驚くほど旨くて、風味も凄い。
とろとろふかふかの穴子、いらなんじゃないかと思うほどのインパクトでした。
そして、木製のさじ(?)が変わってて面白い。
「メニューにない日本酒あります」と書いてあったので、早速お尋ね。
すると、出て来る出て来る、熱燗向けのお酒が(笑
あれがあるなら飲んどくでしょ、ということで、小笹屋竹鶴の宿根雄町を常温で。
酸味があって旨いなぁ。
甘鯛のうろこ焼き。
添えられているのは、原木えのきの小いわし魚醤和え(合ってます?)と焼いた白ねぎの酢漬けです。
正対した状態でも香る甘鯛。
鱗焼きはかぶりついて、パリパリ感を楽しんでみました。
ちょっとお上品さに欠けましたかね(笑
広島牛のシンタマと原木しいたけの炙り。
細かく脂が乗ったシンタマは流石に旨いですね。
そして、炙ったしいたけも旨い。
面白かったのは、粒マスタード。
和のニュアンスがあって、粒がこりゅっとしていて、初めての体験。
我が家にある瓶詰めのとは全然違います。
鍛造・強力の常温を久し振りに。
せこがにを使った炊き込みご飯。
器にちょこっとよそい、おこげをそっと上に。
もっとたくさんよそってくれても良いのに(笑
米の表面はピカピカなのでプリッとしていそうですが、少し固めの炊き加減。
この加減が、上手いですね。
そして、蟹の香りに包まれたご飯。
外子と内子と蟹の身。
殻で取った出汁。
蟹って旨いなぁ(笑
漬物も赤出汁も旨い。
もちろんお代わり。
デザートは、豆乳プリンの濃茶掛け。
おぉ、赤と緑でメリークリスマスではありませんか~
濃茶って、お茶界のエスプレッソですね。
濃いけど、好きだわ、これ。
ご飯が出るまでの料理は、胃への負担感がほぼゼロ。
食べても食べてもまだ食べられる感覚でして、コース料理をもう一周できるんじゃないかと(笑
ご飯とデザートでおなかに溜まりましたが、こんな感覚は初めてでした。
この感覚覚えているうちに、榎町の「拓」や流川の「一具」に行かなきゃいけませんね。
ごちそうさまでした!!!!
(2016.12)
■お店のデータ
悠然いしおか
広島市南区段原3-15-19
0825695753
17:30~22:00
定休日:未確認
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