47都道府県の内、日本酒を造っていないのはどこ?
正解は、、、鹿児島県!!
だったが、Facebookで得た情報によると、最近造り始めた(復活した?)そうだ。
他に飲んだ事のない都道府県があるかなと思い北から順に思い出してみると、同じ九州の宮崎県がまだである事に気付いた。
宮崎県自体未訪の県なので、これを口実に訪れる事が出来ればなどと考えもしたが、相談したところで「取り寄せたら良いのでは」と反撃される事、必至。
それに対しては、「そういう時代よね~」と、キューちゃんのように言わざるを得ない。
断念。
さて、三月は期末で多忙ながらもコンスタントに(ストレス発散で?)飲み、本数は7本まで伸びた。
その中でもダントツのナンバーワンは、亀齢の萬年。
やや高額な部類に入るが、買って良かったと思わせる旨さで、流石の造りだと感じた。
(評価は、なし~★★★★★までで、個人の主観による。)
菊文明 純米 大地からの恵み ★★★
庄原市東城町 北村醸造場 720ml 1,324円 田辺酒店@西区南観音
かつては比婆郡に置かれていた東城町。
観光名所では帝釈峡が有名で、僕自身も宿泊したことがある「角屋旅館」は、全国に誇っても良いと思えるほど旨い地元の料理を食べさせてくれる宿だ。
東城町には3つの酒蔵があったが、その内の一つ「浮心」はすでに廃業。
残った「超群」生熊酒造と「菊文明」北村醸造場の酒は、販路の関係だろうか広島市内での流通は多くない。
北村醸造場の創業は天保年間(1830~1844年)というから、今年(2013年)で170~180年の歴史を持つことになる。
現在では、ベテラン杜氏の引退に伴い、蔵元夫妻が中心となり酒を醸しているとの事。
さて本酒は、久々に菊文明が飲みたくなり、南観音の田辺酒店で購入した次第。
本酒の原料米は無農薬(アイガモ農法)で栽培した、中生新千本(なかてしんせんぼん)という食米だ。
JA全農広島によると、この米は平成7年の県内うるち米作付面積の半分を占めていた事もあったが、平成10年頃にコシヒカリとヒノヒカリに追い抜かれ、現在では作付面積の10%未満まで落ち込んでいる。
このままだと、いずれは・・・と思うほどの落ち込みぶりだ。
さて、開栓初日。
冷たい状態で試してみることに。
酸がありそうな香りだが、実際に飲んでみるとやや辛口のピリとする口当たりで、バニラ臭も感じる。
常温に近づくと、飲み込んだ後、鼻腔の奥に広がる米のニュアンスが印象的。
開栓二日目は燗で。
45度では辛味が強く感じられるが、40度を下回ると米の旨味が少し顔を出す感じ。
ぬる燗から常温の間が飲み頃の温度のように感じた。
華やかさが全くない地味な酒だが、同時に地味に旨い酒でもある。
こういう蔵には長く長く続いて欲しい。
一代弥山 純米大吟醸生原酒 ★★★
廿日市市桜尾 中国醸造 720ml 1,627円 田辺酒店@西区南観音
日本酒以外にも、焼酎・梅酒・チューハイ・料理酒など、多くの酒類を製造する酒造会社、中国醸造。
世界で初めて紙パック入りの酒(はこさけ一代)を発売した事でも知られている。
代表銘柄の「一代」は、「人は一代 名は末代」にちなんで名付けられたとの事。
一代の中でも特に品質の高い酒は、宮島の主峰に由来して「一代 弥山(みせん)」と名付けられている。
創業は1918年(大正7年)。
当時は中国酒類醸造合資会社と名乗り、鹿児島から製造責任者を招聘していたとの記述もある。
本酒は、菊文明目当てで訪れた田辺酒店で、「これは旨い」「よくこの値段で出したなぁ」とのささやきトーク(?)に心動かされ購入した次第。
広島吟醸酵母で作った酒という事で香りが華やかなのかなと思ったが、案外と穏やか。
しかし、この酵母らしいニュアンスは香りと味に込められている。
開栓直後は甘さが強く仕舞の切れが悪いため、僕には少しくどく感じた。
開栓から10分ほど経つと苦味が出てきて甘みが減退。
こうなると、飲みやすさが増す。
なかなか旨い酒だと思うが、価格が高めなのが惜しいところだ。
600本限定という事なので、価格は限定感でカバーという戦略だろうか。
個人的には「どこかで飲んだことがある感」が感じられるので、もう少し個性が出れば、と感じた。
友人の話では、年々良くなっているとの事。
今後に期待してみたい。
亀齢萬年純米吟醸生原酒 ★★★★★
東広島市西条本町 亀齢酒造 1,800ml 3,990円 石川酒店@西区古江西町
蔵については2012年8月の記事を参照のこと。
本酒は、僕の好きな亀齢の中でも特に気に入っているシリーズ。
少し高いかなと思ったが、限定版という事だったので思い切って購入した次第。
冷たくして飲むと、野太く醇な旨味が感じられ、香りはフルーティーに振った感じ。
温めて飲むと表情は一変。
フルーティな香りは米の香りに変わり、旨味と酸味が拮抗する素晴らしい出来栄え。
僕には高額の部類に属する酒だが、このレベルの酒が飲める事の幸せと引き換えなら、全く惜しくないと感じた。
余談だが、使用米の「線状心白米」は、諸事情によりGと言う米の名前が使えないためこうしているそうだ。
個人的には、この酒米は愛山と並んで好きな米である。
炭屋弥兵衛 純米吟醸無ろ過生 ★★★
岡山県真庭市 辻本店 1,800ml ?円 石川酒店@西区古江西町
本酒を醸す辻本店は、1804年(文化元年)の創業。
当時は三浦藩御用達の献上酒として御膳酒と言う銘を受けており、現在のメイン銘柄である御前酒の由来になっているとの事。
当蔵は菩提もとを使った仕込みをしているのが大きな特徴である。
菩提もととは、簡単に書くと、乳酸菌を沸かせたそやし水を用いて仕込んだ「もと」の事で、室町時代にその製法が確立されたそうだ。
詳しくはこちらをご覧いただきたい。
さて本酒は、先に登場した亀齢と同時に購入。結構な出費となったが、白日だったので良しとした。
開栓初日。
初手には渋みと梨のようなジューシーな旨味が感じられる。
舌の中央を通り過ぎる辺りでは、一旦渋みが抜け、旨味が前面に。
ベースには酸と米の甘みがしかと感じられ、仕舞にはきちんと渋みが効いている。
この渋みのお陰で、だらけた感じがしないのである。
開栓5日目。
常温が近づくと酸が顔を出してきて、より一層旨いと感じた。
この後、開栓から10日が経つ頃まで、ちびちびと楽しませてもらった。
なかなかの秀作ではないだろうか。
旭鳳 こしひかり純米酒おりがらみ ★★
広島市安佐北区 旭鳳酒造 720ml 1,075円 石川酒店@西区古江西町
1865年(慶応元年)創業の旭鳳酒造。
最近まで地味な存在(失礼)だったが、安芸区船越の梅田酒造場にいらした土居杜氏を迎えてから、注目を浴びるようになった。
土居杜氏は、香り華やかな旨口の酒を造るイメージがあるが、旭鳳に行かれても概ねそのテイストの酒を造っているようだ。
土居杜氏になってから旭鳳を外で何杯か飲んだが、家で飲むのは本酒が初めて。
開栓初日。
米の甘みと案外と強く感じられる辛味を、仕舞の苦味が流す組み立てか。
いわゆる新酒の部類に入る酒だが、それにしても少し硬い感じを受けた。
上澄みだけ飲んでみるとその傾向はより顕著。
5日ほど置いて飲んでみると、少し硬さが取れ飲みやすくなったように思う。
そういえば、土居杜氏の後の梅田酒造場の酒をまだ飲んでいない。
京都から杜氏を招き、以前とほぼ変わらない酒を造っているとは聞いているので、近々飲んでみようと思う。
大信州 純米大吟醸スパークリング ★★★
長野県松本市 大信州酒造 720ml 1,950円 石川酒店@西区古江西町
蔵については2012年11月の記事を参照のこと。
さて本酒は、以前から気になりながらも、値段がネックで手を出してこなかった1本。
しかし、石川酒店のポイントカードが満点となり、お得な特典が使える事になったので購入した次第。
スパークリングなので開栓注意と書かれていたが、少し見くびってしまったせいで、吹きこぼすという実態を演じてしまった。
慣れというのは怖いものだ。
開栓初日。
この手の酒にありがちな苦味と、直角をイメージさせる固さを強く感じた。
飲みにくさはないが、同じスパークリングなら日本酒度がマイナスの純米吟醸の方が、美味しく飲めるかもしれない。
独楽蔵 特別純米酒 しぼりたて生 ★★★
福岡県久留米市 杜の蔵 720ml 1,260円 石川酒店@西区古江西町
蔵については2011年10月の記事を参照の事。
本酒もお得な特典を使い、先に紹介した大信州と共に購入。
開栓初日。
瓶口からは、さすがに生っぽい香りが上がってくる。
実際に飲んでみると、芳醇な旨味が薄い辛味のカプセルで覆われていて、それが弾けると旨辛甘苦がバランス良く味わえると言う印象。
当蔵の中では好きなタイプだと感じた。
開栓6日を過ぎても大きく変わることなく、最後まで旨い酒だった。
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コメント
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私は東広島に住んでいたことがありますが、西条の酒は総じて甘めで、食中酒としてはどうかな、と思うことが多くありました。
しかしその中でも亀齢はキリッとした味わいで一番好きですね。ちなみに第2位は西条鶴。
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コメントありがとうございます。
西条のお酒って伝統的に甘いんでしょうね。と言いながらも、今では違うんでしょうが、糖類の甘さもあるのかなと思ったりします。
個人的には、亀齢と賀茂輝が好みです〜。