今日読んだスーモマガジン(リクルートの住宅系フリーペーパー)の表紙にデカデカとこう書いてありました。
『第2特集 新築でも中古でもない!? リノベーション特集』
中を開いて読んでみるとこんな記述が・・・
『新築でも中古でもない。リノベーションは、住まいの機能と価値を高める「思考型」改修。』(スーモマガジン3.10号P16より)
「リノベーション」という言葉は数年前から使われていましたが、今年に入ってから新聞折込チラシでも良く見かけるようになりました(リノベーション物件という用法で)。
ウェブで言葉の意味を調べてみますと、リノベーションとは「既存建物を大規模改装し耐震性や省エネ性能など,用途や機能を刷新・高度化し,建築物に新しい価値を加えること。(大辞林)」と出てきます。
と言う事は、骨組みだけ残して総取替えする「劇的ビフォーアフター」はリノベーションという事なのでしょう。
でも全面リフォームと同じ気もします。
ちなみにリフォームを調べると「作り直すこと。洋服などの仕立て直し。また,建物の改築。(大辞林)」と出てきました。いまいち違いが伝わってきませんね。。。
と思っていたところにナイスな指摘をウェブで発見。
(以下 ALL ABOUT PROFILE 各務謙司氏のコラムより引用)
リフォームとリノベーションという言葉、どちらも既存建物の改装や増改築を指す言葉ですが、実は明確な違いも定義も正式にはなく、色々な会社や建築家が違った思惑で使っている言葉なのです。
リフォームを内装模様替え(壁紙の貼り替えや床の張替え)や設備刷新(キッチンやトイレの交換、エアコンの付け替え)として、リノベーションを全面的な改修で、新築時以上の価値を建物に持たせる計画として使い分けている会社や組織があるようです。(引用ここまで)
なるほど。言葉を言い換えることで、新しい命を吹き込んだ訳ですか。リノベーションの方が格好良く先進的な印象を与えますが、要するに「全面リフォーム」なわけですね。
リフォームというカテゴリーの中にリノベーションがある。
ハイボールというカテゴリーの中にウイスキーソーダがある。
つまり「ウイスキーソーダ」と「ハイボール」の関係と似ているということなのでしょうか。
※ハイボールは元々、スピリッツを炭酸飲料やノンアルコール飲料で割ったもの全般を指します。
※ウイスキーソーダの方が野暮ったい感じがしますね。
イメージを良くするために、昔と今では言い方を変えた商品というのはたくさんあるように思います。
例)
化学調味料 → うまみ調味料
ベランダ → バルコニー
甘いもの → スイーツ
聞いた事がないようなお菓子
→ モンドセレクション受賞! <これは違うか(笑)>
日本酒
→(醸造アルコールや糖類添加の)日本酒(風飲料)<これは皮肉(苦笑)>
これら(上から3つ目まで)は、イメージ向上のために知恵を出して考えた結果の言い換えと捉えていますので、決して否定するつもりはありません。
むしろ「上手いこと言うなぁ」と感心します。
言い換え(ネーミングの変更)って面白いですね。
ちなみに僕は、0対0の引き分け → スコアレスドロー の言い換えには違和感がありますが(苦笑)。
※冒頭の「新築でも中古でもない。リノベーションは、住まいの機能と価値を高める「思考型」改修。」について。特集の内容を読むと、中古住宅を購入する際の選択肢として「リノベーション済み物件」と「購入後に自分好みにリノベーション」の2つが選択肢としてあると書いてあります。中古は中古です。ダメですよ、リクルートクラスの会社が「新築でも中古でもない」って言い切っては。言いたい事は分からなくもないですが・・・
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