日本酒

家で飲んだ日本酒(2014年7月)

日本酒
※この記事は長文ですので、お時間ある時にどうぞ。

 
 
 
2014年7月版の掲載酒

■喜乃井養老 上撰
■車坂 吟醸酒
■光栄福正宗 上撰
■一〇正宗 純米吟醸
■華鳩 純米吟醸原酒 初呑み切り

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初めての酒販店に行くと「どんなお酒がお好みですか?」と聞かれて、困ってしまうことがあります。

先方としては好みに合うお酒を勧めようと思って聞いて下さっているんですが、僕は甘い辛いでの好みがなく、特定の蔵にこだわる事もしないので、非常に答えにくいんです。

少し前までは「濃醇旨口が好み」「悦凱陣とか」と答えていたんですが、最近はどれ飲んでも旨いじゃないかと気付き(もちろんレベルの高低差はありますが)、好みの酒を一言で表せなくなってしまいました。

なので、「一番のおすすめどれですか?」と逆質問する有様で、お店の方を困らせてしまう事も(苦笑)。

案外、面倒なお客なんです。。。

こういう時は、「苦手なお酒ってありますか?」と聞いて下さった方が答えやすいんですけどね。

「酒好きは普通酒にたどり着く」

元上司が言っていたこの言葉、2周も3周もして戻ってみたら普通酒が良いという境地になるのは、最近少しだけ分かったように思います。

この記事も何年かしたら普通酒ばかりになってたりして(笑

ま、そうなったら、それはそれで、面白いんですけどね。

 
 
 
(評価は、なし~★★★★★まで。主観による評価ですので、参考程度に留めて下さい。)

 
 
 
喜乃井養老(山口県・木原酒造) 上撰 ★★★
1,800ml 1,800円程度 購入先:蔵で直接購入

喜乃井養老は、山口県防府市にある「木原酒造」のお酒です。

1886年(明治19年)創業の蔵ですが、蔵元杜氏が亡くなって以降、造りは外部に委託。

現在置いているお酒は、清酒(糖類添加)と上撰の2種類のみでした。

それでは早速、いただいてみましょう。

米由来かなと思われる甘さが長続きするお酒で、辛味と少しの苦味で切れ味を持たせた印象です。

上撰だからと言って、臭いとか不味いなんて事は全くなく、むしろ下手な純米酒よりも僕の口には合っているように思います。

いつまでもするする飲めるお酒で、これもまさにデイリーユースの1本。

まだまだ残っていますので、ゆっくりと楽しんでみようと思います。

木原酒造
山口県防府市大字田島2675
代表:木原志津子氏
杜氏:‐

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車坂(和歌山県・吉村秀雄商店) 吟醸酒 ★★★
720ml 1,134円 購入先:大和屋酒舗(中区胡町)

ちょっと街中に用事があり、ついでに立ち寄った大和屋酒舗で購入した車坂。

「紀州黒潮 魚にあう吟醸酒」というフレーズに惹かれての購入です。

開栓初日。

瓶口から漂う香りは芳醇で、酸味がありそうな印象。

実際に飲んでみるとその通りで、そこそこ味が乗り酸味もそこそこ。

仕舞いには苦味と少しの嫌味が感じられましたが、開栓後しばらくで抜けていきました。

常温が近づいてくると、乳酸系の甘みがほのかに感じられ、ピリリしたと辛味も。

飲みながらラベルを眺めていると、表側に漢字で魚の名前がズラリと記されていました。

「まるで、お寿司屋さんの湯飲みみたいだね」と話しながら見ていると、マンボウ(翻車魚)・イカナゴ(玉筋魚)・メジナ(目仁奈)・ゴンズイ(権瑞)など、魚の名前は知っていましたが、漢字表記で見たのは初めてで、なかなか面白かったです。

公式サイトによると、本酒は「和歌山の魚に合うお酒」との事。

旨味とキレを両立させた酒と解説にもありますが、確かに旨味はしっかりあって、キレは冷たいほうが感じられます。

このお酒を醸したのは、和歌山県にある吉村秀雄商店。

スクリューキャップの表に書かれているように、こちらの蔵は調湿作用に優れた「土壁」が特徴なんだそうです。

2日間に渡り、鰹のたたき(ポン酢)・ヒラメのカルパッチョ(塩レモン)・マグロのづけ(醤油&白ワインビネガー)に合わせてみましたが、いずれもボチボチ。

おそらくは、醤油との相性が良いように造られているんでしょう。

もう少し残していますので、次の開栓時には刺身&醤油にあわせてみようと思います。

吉村秀雄商店
和歌山県岩出市畑毛72
代表:安村 勝彦氏
杜氏:藤田 晶子氏
公式サイトあり

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光栄福正宗(山口県・木下酒造) 上撰 ★★ 1,800ml 1,800円位 購入先:蔵で直接購入

光栄福正宗は、山口県山口市の湯田温泉近くにある「木下酒造」という蔵のお酒です。

1918年(大正7年)の創業で、もうすぐ100周年を迎えるとの事。

現在では酒造はされていない様子で、メインの業務は酒類の卸業だそうです。

昔、酒蔵・今、酒販のパターンは、広島だと大和屋酒舗がそうですし、山口だと有名な礒田酒店も。

山口遠征で買った上撰3兄弟(勝手に命名。他の2つは、阿武の鶴と喜乃井養老)の中では、最後に開栓です。

米感も香りも少なめで、アルコール感が少々感じられます。

口当たりは悪くなく、するっと抵抗なく喉を通るものの、仕舞いに少しの嫌味が。

今まで抱いていた「上撰」のイメージ近い味わいだと感じました。

開栓から1週間もすると、アルコール感や嫌味が消え、良い意味で甘さを感じる酒質に。

これもなかなか旨いではありませんか。

上撰3兄弟勢ぞろい。

比べてみると、味の違いがあってなかなか面白いなと思いました。

木下酒造
山口県山口市大市町2-20
代表:木下慎一郎氏
杜氏:-

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一〇正宗(山口県・一〇酒造) 純米吟醸 ★★ 720ml 2,200円位 購入先:蔵で直接購入

山口の酒蔵遠征をするまで知らなかったんですが、一〇正宗がある萩市には非常に多くの酒蔵があるんですね。

市町村合併の影響もあるでしょうが、その数は9蔵。

東洋美人:澄川酒造場
長門峡:岡崎酒造場
長陽福娘:岩崎酒造
白泉:白井酒造本店
八千代:八千代酒造
一〇正宗:一〇酒造
長陽旭鶴:瀧口酒造
銀嶺:三浦酒造
宝船:中村酒造

しかし、一般に知られているのは、最初の3蔵ぐらいでしょう。

今回ご紹介する一〇正宗は、萩市中心部から北に少し外れた所にある蔵で、地元以外では知られていないと思います。

創業は1917年(大正6年)。元々は呉服店を営んでいたそうです。

さて、開栓初日。

瓶口からは、華やかな吟醸香が感じられます。

実際に飲んでみると、軽やかな吟醸酒って感じで、香りブンブンの旭鳳を出力100%とすると43%位な感じ。

口当たりは軽く、仕舞いはさらっと。

くどさやしつこさは無いように思います。

開栓から1週間後には吟醸香はほぼなくなり、その痕跡は味わいでほんのり感じられる程度。

個人的には、華やかな香りはあまり得意ではありませんので、この方が飲みやすくて歓迎です。

一〇酒造
山口県萩市今古萩町54
代表:松本 喜一氏
杜氏:-

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華鳩(広島県・榎酒造) 純米吟醸原酒 初呑み切り ★★★
720ml 1,620円 購入先:石川酒店(西区古江西町)

「初呑み切り」とは、その年の冬に仕込み、出荷待ちのお酒の品質チェックの事。

熟成途中のお酒を蔵の関係者などが利き、狙い通りの酒に仕上がったか、出荷のタイミングをいつにするか、等の判断材料とするんだそうです。

今回購入したこのお酒も、初呑み切りの際に飲まれるお酒。

本来なら蔵でしか飲めないんでしょうが、このように商品化して販売される酒蔵もあります。

よく冷えた状態で開栓。

瓶口からは、セメダイン様でやや刺激のある香りが感じられます。

実際に飲んでみると、少し硬さの残る感じはありますが、適度な旨味と辛味があり、するっと飲めそうなタイプです。

原酒の力強さはなく、華鳩らしいソフトタッチ。

温度が上がってくると、甘さというか、くどさが少しだけ気になりますが、まずまず旨いのではないでしょうか。

全体的に若い感じがしたので、しばらく置いてみようと思ったんですが、開栓二日目には空にしてしまいました(苦笑)。

初日よりも落ち着いた感じで、飲みやすく旨い酒だったと思います。

榎酒造
呉市音戸町南隠渡2-1-15
代表:榎 俊宏氏
杜氏:藤田 忠氏

 
 
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