日本酒

家で飲んだ日本酒(2014年8月)

日本酒
今月の掲載酒
■花酔 どぶのうわずみ 純米酒
■富久長HYBRID
■竹雀 山廃純米無濾過生
■七賢 稲穂の風 純米吟醸
■三重錦 純米吟醸中取り生

 
 
 
日本酒って開栓時と時間が経ってからでは、味も香りも変わる事がしばしば。

開栓時はイマイチでも1週間経つと旨くなったり、その逆パターンにも出会ったことがあります。

熟成・酸化がその要因なんでしょうが、これってもっと周知しても良いのではないかと思うんです。

「味の変化」というファクターを認識していない飲み手が一般的でしょうが、日本酒は日々変化する面白いお酒なんですよ。

飲食店で一杯だけ飲む時には分かりませんが、瓶で買って家で飲むと、変わりゆくプロセスが楽しめます。

たまには四合瓶を一本買って、秋の夜長に徐々に変わりゆくひやおろしを楽しんでみてはいかがでしょうか。

 
 
 
(評価は、なし~★★★★★。あくまでも個人の嗜好による評価です。)

 
 
 
花酔(庄原市・花酔酒造) どぶのうわずみ 純米原酒 ★ 720ml 1,400円台 購入先:石川酒店(西区古江西町)

本酒は、広島県の北部、庄原市にある花酔酒造が醸すお酒。

ここの蔵で特に有名なお酒に「どぶ」という白く濁った活性純米酒(炭酸しゅわしゅわ系)がありますが、本酒はその上澄み部分を瓶詰めして商品化したんだそうです。

実は1年近く前に、石川酒店の第3冷蔵庫(と勝手に呼んでいますが、入口近くのビールなどを冷やしている冷蔵庫の事です)の奥に、本酒があるのを発見。

それを思い出し、先月購入して飲んでみたんですが、品質に?マークが付いたものですから、少し様子を見た上で今回のアップといたしました。

開栓初日。

瓶口からは、米っぽい香りとチョコレートっぽい独特な甘さを伴う香りが感じられます。

実際に飲んでみると、味は原酒らしく濃い目ですが口当たりはまろやかで、仕舞いの苦味で締めている感じ。

本来は穏やかな旨口なんでしょうが、今までにいくつかの酒(生もとのどぶ・美の鶴・三谷春・賀茂鶴・賀茂泉・京女)で体験したのと同じ独特の甘さは、得意ではありません。

スキッと感を伴うこの風味は、先に挙げた酒の全ての商品に共通ではなく、おそらくはその1本だけの現象かと。

開栓から2週間ほど経つと、香りは穏やかになって来ましたが、例の痕跡は味わいとして少し残っています。

残念ではありますが、ま、こういう事もありますよ。

花酔酒造
庄原市総領町稲草1995-1
代表:谷本 淳一氏
杜氏:谷本 淳一氏

 
 
 
富久長(東広島市・今田酒造本店) HYBRID ★ 720ml 1,512円 購入先:大和屋酒舗(中区胡町)

富久長を醸す今田酒造本店は、広島県内ではわりと気に入っている酒蔵。

優しい中にも味があるといいますか、飲みやすさが良いなと感じています。

そんな今田酒造本店の新たな試みが「HYBRID酒母」。

『富久長らしい繊細さは保ったままで、味わいの下支えをしてくれるような、深い旨みやコクを加えられないか』とのコンセプトの元に開発された酒母なんだそうです。

技術的に細かいことは僕には分かりませんので、詳しくは蔵の公式サイトを見ていただきたいんですが、「高温糖化酒母に乳酸菌を添加し、乳酸を生成させながら酵母を増殖させる」みたいなことなんでしょうか。。。

出来上がりのイメージとしては、軽やかな中にも力強さをという事なんだろうと理解してみました。

開栓初日。

香りからはたおやかな甘さが。

実際に飲んでみると、ジーンと苦味が感じられ甘みと苦味がしっくりきていないように感じました。

二杯目からは酸が感じられますが、チーズに合うお酒(小西酒造)に似たようなニュアンスも。

開栓から1週間経つと、香りと味に米っぽさが出て来ました。

懸念していた苦味や妙なニュアンスは随分と落ち着き、ようやく良いかなと思える酒質に。

先日、常温保存していた残り三分の一を何人かとシェアして飲んでみましたが、残念ながら今一つな印象でした。

来年作るなら、比較するために飲んでみたいとは思います。

今田酒造本店
東広島市安芸津町三津3734
代表:今田 美穂氏
杜氏:今田 美穂氏

 
 
 
竹雀(岐阜県・大塚酒造) 山廃純米無濾過生 ★★★
720ml 1,458円 購入先:大和屋酒舗(中区胡町)

このお酒は予備知識なく購入してみたんですが、決め手にしたのは「山廃」で「無濾過生」という点。

「山廃」の「無濾過」だった「高砂(静岡県・富士高砂酒造)」が旨かったので、二匹目の何とやらを狙っての購入です(笑)。

開栓初日。

香りからは、どしっとした乳酸系の旨味が感じられますが、実際に飲むと思いのほか軽く、しかも苦味がきつめ。

少し置いてみることにして、この日はこれで終了です。

開栓三日目。

苦味がほぼ消え、乳酸系の旨味が増えてきました。

この時点では、軽やかさもありながら旨味もあるお酒という印象で、初日よりは随分と良いのではないでしょうか。

そして、多少の米っぽさもありますので、燗にしても良いかもしれません。

開栓1週間後。

熟して煮詰めた果実のような甘みが感じられますが、キレがあるのでしつこくは感じません。

ここまでくると旨いなぁと思うんですが、開栓直後に飲んだだけだと評価が全く変わるでしょう。

大塚酒造
岐阜県揖斐郡池田町池野422
代表:大塚 清孝氏
杜氏:大塚 清一郎氏

 
 
 
七賢(山梨県・山梨銘醸) 稲穂の風 純米吟醸 ★★ 720ml 1,458円 購入先:石川酒店(西区古江西町)

七賢は、以前、田辺酒店で購入して飲んだことがあって、とてもさらりとしたお酒という印象を持っています。

確か、雪解け水で醸した純米大吟醸で、絹の味というサブネームが付いていたはず。

今回のお酒は夢山水という文字が目立ちますが、調べてみると自社田栽培の酒米のようです。

さてさて、どんな感じだったでしょうか。

開栓直後。

長期低温発酵らしい吟醸香がたおやかに漂い、口に含むとほんのりと甘さを感じます。

後口には酸味・苦味・辛味が少しずつ感じられ、甘さが口に残らないような組立です。

二杯目からは、甘さが少し抜けて飲みやすくはなりますが、前回飲んだ時のようなさらり感はなく、味が乗っている印象を受けました。

ラベルには書いていませんが、おそらく無濾過原酒。

原酒らしい強さはなく、味の濃さがほどほど。優しい無濾過原酒です。

個人的にはピッタリ好みではありませんが、まずまず旨い1本だったと思います。

山梨銘醸
山梨県北杜市白州町台ヶ原2283
代表:北原 兵庫氏
杜氏:保坂 良雄氏

 
 
 
三重錦(三重県・中井仁平酒造場) 純米吟醸 中取り生 ★★★ 720ml 1,665円 購入先:石川酒店(西区古江西町)

1年半ほど前に、石川酒店で一号須弥酒の生を購入して以来の三重錦です。

元プロボクサーが蔵元杜氏で1人で酒を醸しており、生産量は100石以下。

小さな酒蔵ですが、なかなか旨いお酒だったと記憶しています。

さて、今回のはどんな感じでしょうか。

冷蔵庫で冷やした状態での開栓です。

瓶口からは、米っぽさもある軽い吟醸香(どちらかというとメロン系)が感じられます。

実際に飲んでみると、疲れを包み込むようなソフトタッチの入りで、まぁるい旨味と甘みが一体となってスッと喉を通っていく感じです。

少し空気を含ませると米っぽさが増え、常温に近づくと旨味が強くなり、濃い酒という印象に。

これは、食中酒としては秀逸な一本です。

とても飲みやすいため、四合瓶であればあっという間に空になるのはやむを得ないでしょうねぇ(苦笑)。

中井仁平酒造場
三重県伊賀市上野西大手町3721
代表:中井 昌平氏
杜氏:中井 昌平氏

 
その他の日本酒に関する記事はこちらからご覧いただけます。

 
 
 
 

コメント

  1. ジジ より:
    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    時間経過で味が変わりますよね。
    だから日本酒の一口目は何も食べてない状態で飲むようにしてます。
    個人的には開栓直後が一番複雑な味がして好きかな。たいてい徐々に均一になって辛くなっていくような気が。
  2. oomin より:
    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    すずめ、開店が昼からだったら行きやすいんですよねぇ。僕もなかなか行けなかったんですが、行って良かったです。

    日本酒は、確かに開栓直後の方が色々な要素が感じ取れますね。それが好みかどうかは、銘柄次第なんですが。

    開けて一年半経つ普通酒がありますが、これはそんなに変わっていません(苦笑)。
タイトルとURLをコピーしました