お店の外観は、人間で言うと「顔」そのもの。
建物だけではなく幟旗や暖簾、その他周囲に置いてあるもの。
それは営業中だけではなく営業していない時間まで含めて、全てがお店の「顔」。
僕の通勤経路にあるお店には、一目見てお店の格というかご店主の矜持が伝わってくるディスプレイをされています。
店頭にこのお酒の箱を飾るご店主の心意気に魅かれ、僕はずっと前からこのお店に行ってみたいと思っていました。
そのお店こそが、戦後間もない頃に創業された広島市内屈指の老舗日本料理店『阿津満』です。
実は今回が2度目の訪問。
1度目はツイッターで募集があった「穴子めしオフ会in阿津満」に参加し、2階の座敷で14名ぐらいでワイワイと楽しませていただきました。
いつかは1階のカウンター席で若旦那と対話しながらお酒を飲んでみたいと思いましたが、お店の格を考えると30代半ばの自分にはまだ早すぎるかなと思い訪問を見合わせていました。
時と共に人の考え方も変わるようでして、つい先ほど「今の自分にはまだ早い」などと格好良いことを言いましたが、お店の魅力には抗えず12月24日の夜に訪問。
まぁ、毎年クリスマスにはどちらかのお店で外食していますし、ある程度のお金を使うには大義名分がいるし、ツイッターでもお世話になっているし、と言い訳を並べてみたりして(笑)。
少しドキドキしながら暖簾をくぐって入店しましたが、カウンターに座って食事が始まると若旦那と女将さんのざっくばらんな雰囲気に一安心。
突出には沢庵や卵の燻製、鹿肉のジャーキーなどが盛り合わせで登場。
燻製は1時間しか燻していないと言われていましたが、薫りの良さに思わずうっとり。
何気なく添えられていた黒豆と栗きんとんも非常に旨かったです。
そこからは、刺身の盛り合わせ、鰆の西京焼き、穴子の白焼き、玉子焼き、焼き蛤、赤貝の刺身、とり貝の炙り、牛ヒレステーキ、穴子めしなど、後先を考えずに注文(苦笑)。
白焼きにした穴子の香りに目が細り、拳大はあろうかという赤貝を目の前で剥いてもらい何もつけずに食べた時の衝撃に心が躍る。
そこに旨い日本酒と若旦那とのやりとりが加わるわけですから、楽しくないはずがない。
日本酒は色々出していただきましたが、雨後の月のひらがなラベルで斗瓶取り(おりがらみかな?)が一番印象に残りました。
香り穏やかで味のバランスが非常に良く食中酒にはピッタリかと。
若旦那との会話を楽しみながらいただく逸品。
少々値は張りましたが、とても楽しいひと時を過ごす事が出来ました。
ごちそうさまでした!!!!!
※そういえば穴子めしのタレが変わっていました。オフ会の時に食べたのは甘めの味付けでしたが、今回のはすっきりとした味付け。甘さに寄っていると時に重たく感じる事もあるでしょうが、今回の味付けでは重さは皆無。旨い旨いと一気に食べてしまいました。
(2010.12)
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・阿津満(2010.10)
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