クリスマスは外食をすることにしていて、日本料理と洋食(イタリアン・フレンチ等)のお店を1年おきに選んで訪れています。
昨年は牛田本町の「柿さか」へ。
今年は、その向かい側にある日本料理の『喜多丘』へ。
中に入るとすぐにカウンター席。
右手奥には個室があるんでしょう。
ご店主は奥の調理場にいらして、時折カウンター前でお客と談笑。
常に姿を見せているのは、お若い(といっても40歳前後かな)調理担当の方と仲居さん。
さてこの日は、11,000円のコースをお願いしておりました。
『喜多丘』の料理、とくと堪能いたしましょう。
食前酒の梅酒を経由して、先付的な一皿が登場。
くるみ豆腐・菊菜・蕪に、鴨肉そぼろのあんかけ。
いずれの食材も風味軽やかで、さらりと旨いですね。
あんも必要以上に味付けがされておらず、さらりとした旨さでした。
鯖寿司。
蕪と昆布の下に〆鯖。
こちらもさらりと旨いです。
鯖は炙ってあっても面白そうですが、店の方向性には合わないんでしょう。
椀物は、蟹真丈・柚子豆腐・餅の吸い物。
蓋を開けた瞬間解き放たれる、柚子の香り。出汁の香り。
真丈は蟹満載で、食べててにっこりしてしまいます。
早い段階での餅は、鯖寿司と相まって早めに空腹感を満たせるので、しっかり飲めということなんでしょうか(笑
お酒のほうは、エビスの瓶から賀茂鶴の広島錦を冷やしたので。
ぴりっと辛いところもあるけど、お酒って感じのお酒ですね。
お造り用として、左から加減醤油・濃口醤油・塩。
脂が乗っているものは濃口、白身や貝類は加減醤油か塩を勧められました。
魚種は、鯛・鰤・細魚・車海老・とこぶし。
鮪のような見た目だけど、軽やかな旨さの鰤は濃口で。
少し寝かせたような味わいの鯛は塩で。
ところで、この塩には米粉が混ぜられているんだそうです。
どうして、こんなこと思いつくのかなぁ(笑
八寸の辺りから、濃い目のものが増えた印象。
海老味噌の塩辛は継ぎ足しで作っているそうで、海老味噌と柚子胡椒、塩が原材料とのこと。
パキッとした烏賊は酒盗和えで。
鴨肉には、ほんのり苦いタスマニアマスタード。
その横には白和えの衣が掛けられた海鼠。
ぷりぷりモチモチでこれが旨いんですよ。
海老は赤紫蘇を挟んで。
面白かったのは、銀杏の揚げたの。
点火からじっくり低温で30分揚げた銀杏。
がりっがりで、こんなに香ばしい銀杏は初体験でした。
揚げ物扱いになるのかな、とこぶしの素揚げ。
針生姜の牛肉巻き、クワイチップスも旨い。
箸休め的な存在は、万善かぶら(岡山の食材なんだとか)の酢漬け。
土っぽい香りがふんわりと感じられ、お酢はとても穏やか。
さて、最後のお食事は、これまた品数が多いこと。
釜を模した土鍋(1組に1つ)で炊いたご飯、葱と茗荷たっぷりの味噌汁、たくさんの漬物。
そして、牡蠣のオイル漬け、玄米フレークを衣にした里芋の揚げ物。
さらに、写真に撮り損ねましたが、脂がしっかりと乗った分厚い天然鰤が3切れ。
たっぷりの醤油と柚子胡椒で。
ちょっと出て来すぎじゃろ(苦笑
ご店主ご自身が、ご飯・汁物・ちょっとの漬物では物足りないので、このくらい出して欲しいと思うボリュームで出しているんだそうです。
旨い物はベツバラとは言え、かなりの満腹。
最後に、デザート。
これはとうもろこしで出来ていて、確かにとうもろこしの甘さ満載の一枚。
その下には、柿とベリー系のジュレ。
食べ切れなかったご飯は、持ち帰り用として詰めてくださいました。
入店するまでは、背筋が伸びる凛とした雰囲気かと思っていましたが、意外とざっくばらんで楽しいお店でした。
今回のコースでは、最後のお食事が印象深かったです。
厚切りの鰤の刺身に、これでもかと言わんばかりに醤油を掛けるご店主の姿は、ホントはこういう方が好きなんよねと物語っているよう。
そして、この店の敷居が高く感じられなかったのは、自分自身の重ねた年齢と経験のお陰なのかもしれません。
年を取ることも食べ歩くことも、案外悪くない。
そう思うことができたひとときでした。
ごちそうさまでした!!!
(2017.12)
■お店のデータ
喜多丘
広島市東区牛田本町3-2-20
0822276166
11:30~14:00
17:00~22:00
※前日までの完全予約制
定休日:日曜・祝日
■カテゴリー別飲食店リストはこちらからご覧いただけます。
■ 所在地別飲食店リストはこちらご覧いただけます。
コメント