今月の掲載酒
■梵 日本の翼
■笑四季 特別純米黒ラベルにごり
■鳴門鯛 山廃純米吟醸原酒
■松竹梅 祝彩
■千福 純米酒
■金冠黒松 純米酒にごり
■亀齢 辛口純米八拾 生
■菊水 新米新酒 本醸造生原酒
いやぁ、1月っていつもよりお酒を飲む量が増えますねぇ。
年始にたくさん飲んだ勢いがなかなか落ちず、月末まで走ってしまいました。
2月からは少し節制しながらも、たくさん飲みたいと思います(笑
(評価は、なし~★★★★★まで。僕の好みで採点しています。)
梵 日本の翼 ★★★
加藤吉平商店(福井県)
大晦日に飲んだ純米55との飲み比べ用として、ハイスペックの日本の翼を購入してみました。
片や、精米歩合55%と言えども、一升瓶で2,500円程度の定番商品。
片や、兵庫県特A地区産山田錦を35%まで磨いた、政府専用機の機内酒。
飲み比べてみると、その違いがより分かります。
開栓直後はとても柔らかい吟醸香が。
口に含んでみると、梵らしい旨味甘みがツーと入ってきて、とても綺麗に喉を流れていきます。
少しトーンが高い旨味と酸味もあり、後口には3年前に飲んだ時よりも強めの辛味・苦味が残る感じ。
純米55との比較で言うと、ベースに感じる香り・旨味は同じです。
これって、その蔵の味の特徴がスペック違いの酒で感じられるわけですから、蔵にとってはとても大事なことではないでしょうか。
そして、余分な旨味・甘み・酸味が引き算された結果の、日本の翼。
高精米歩合で出会う事のある水っぽい純米大吟醸ではなく、綺麗に切れながらも味に厚みがあります。
どちらが好みかと言われれば純米55ですが、ハイスペックなお酒との飲み比べもまた一興ですね。
笑四季 特別純米黒ラベル生原酒にごり ★★★
笑四季酒造(滋賀県)
今から数年前に、呉市内の某酒販店で見つけた笑四季。
当時はまだ広島では知られておらず、そこでしか買えなかった銘柄なんです。
それが今では、広島市内でも購入可能。
中区富士見町の「てらや」が仕入れてくれたお陰です。
ありがたや。
さてこのお酒は、元々にごりで出す予定ではなかったそうですが、搾り中のトラブルによりにごりとしてリリースされたようです。
偶然の産物と言うことで、いわゆるレア物と解釈しても良いんでしょう(笑)。
常温保管から、元日に開栓。
元日は2年連続で笑四季を飲みましたが、年中笑顔でいられるようにとの願掛けの意味もあるんですよ。
瓶口からは、ややセメダインっぽい香りが立ち上がってきます。
混ぜずに上澄みだけ飲むと、ピリリとした後口を残しますが、後から来るメロン系の香りがその印象を凌駕。
濁らせて飲むと、香りも味も穏やかになりますが、鼻にぬける香りはやはりメロン系。
開栓二日目。
50度まで温めてみると、含んだ瞬間に広がる米のフレーバーが好印象。後追いで、酸味と辛味と苦味が同時に。
笑四季が好きになる原因となったモンスーン(貴醸酒)も燗にして米感が強まるお酒でしたが、特別純米の本酒にもその傾向は引き継がれているようです。
他のスペックも燗にして飲んでみなきゃ。
鳴門鯛 山廃純米吟醸原酒 ★★
本家松浦酒造場(徳島県)
このお酒、お名前はかねがねなんですが、飲む機会がありませんでした。
そんな鳴門鯛が酒商山田にあったものですから、お正月用に購入。
鯛なので、めでたい(笑)と言うことで、1月2日に常温保管から開栓してみました。
香りはほとんど感じられません。
口に含んでみると、野太い甘みと旨味が感じられます。わずかに酸はありますが、味の切れは悪く非常にくどい印象。
これは飲みにくいなぁと思い、この日は終了です。
しばし放置して、開栓5日目。
口に含んだ瞬間、何じゃこりゃ?と戸惑ってしまいました。
驚くほどのライトボディ。
味が抜けてしまったのか。。。
開栓20日後に恐る恐る一口。
まろやかな口当たりで、まろやかな旨味。
後口にはドライな辛味。
当初から比べると随分よくなったように思います。
ちょっとホッとしました(苦笑)。
松竹梅 祝彩 吟醸 ★★
宝酒造(京都府)
親から正月用にともらったお酒の中に、松竹梅がいました。
しかも、10年以上前に一度飲んだ事のある金粉入り。
今飲んだらどんなことを思うんだろうか、とワクワクしながらの開栓です(笑)。
瓶口からは甘そうなフレーバーが感じられます。
実際に飲んでみると、口に含んだ瞬間は甘さが広がり、ピリ辛酸と最後に苦味。
基本は甘口ですので、チャンジャ等の辛い食べ物には合いますかね。
この日は日本酒4種類を並べて飲んでいたんですが、飲み比べてみると笑四季の特別純米の旨さが良く分かり、この松竹梅のそうでもない感が良く分かります。
ま、金粉入りでめでたいということで(笑)。
千福 純米酒 ★★
三宅本店(呉市)
こちらも親からもらったお酒。
「大和ミュージアム」とラベルには書いてありますが、買ったのは近所のイオンだと思います(笑)。
最近の千福は、新酒の良い評判を数名から聞いており、僕自身飲んでみたいと思っていたお酒。
本酒のように比較的容易に入手できるラインナップはどうなのか?
その意味において、興味のある一本です。
常温保管からの開栓。
香りはほとんど感じられず、口に含むと軟水のような丸い口当たりが。
うっすらと旨味が広がり、余韻の苦味は長めで、ちょっとネガティブなテイストが残ります。
端麗辛口系統のお酒で面白みはありませんが、無難と言えば無難。
そんな印象の一本でした。
金冠黒松 純米酒にごり ★★★
村重酒造(山口県)
初めて会ったその時から、「買って買って」とラブコールを受けていた(気がする)、村重のにごりを買ってみました。
購入したその日に、冷え冷えからの開栓です。
瓶口からは、苦味を包含しているような甘酒っぽいフレーバーが感じられます。
上澄みだけ飲んでみると、少し重めの甘みと旨味が感じられ、ツーと細い酸味と苦味が絡んでくる印象。
これ濁らせたら、結構重いんじゃないかなと。
で、二杯目はもちろん濁らせてから。
ボリューム感のあるもろみの香りが感じられ、ちょっとざらついた感じを連想させます。
実際に飲んでみると、旨辛くて酸が立ち、以外にも濁った方が重くないという(苦笑)。
このテイストだと、糖類添加のにごりを飲み慣れている方には酸っぱく感じると思われます。
家に備蓄していたゲロルシュタイナーで割ってみると、これはなかなかの相性の良さ。
シュワシュワ感が飲み疲れた喉に心地よく、良い具合の甘みと酸味が杯を進めてくれます。
いわゆる日本酒ハイボールって言うんでしょうか。
こういう飲み方も、なかなか楽しいですね。
開栓1週間後は、60度を超す燗で。
冷え冷えの時よりも、甘酒っぽい香りが増幅し、その一方で味はシャープに切れます。
僕には温かい方が飲みやすいかな。
亀齢 辛口純米八拾 生 ★★★
亀齢酒造(東広島市)
このシリーズは、一升瓶で2,000円を切るという驚愕のコストパフォーマンス。
今までに火入れは飲んだことありましたが、生はありませんでしたので、買ってみました。
初日は、常温保管からの開栓です。
生酒らしいフレッシュな香りに、生酒らしいやや厚みのあるボディが感じられます。
後口の辛さは、その名の通り。
火入れが生になって多少のボリューム感は出ましたが、それ以上でもそれ以下でもないと言うのが初日の感想です。
開栓1週間後。
あぁ、やっと来ましたね。
待ってました(笑)。
味が乗ってきて、ボディは太く酸も感じられるように。
米のテイストも出てきましたし、温めて良さそうな雰囲気もあります。
でも、もうちょっと来てくれないかなぁ(笑)。
菊水 新米新酒 本醸造生原酒 ★★★
菊水酒造(新潟県)
勤め先最寄のコンビニで見かけた緑色の菊水。
黄色の菊水は通年商品で、限定物が3種類とは聞いていましたが、初めて見つけると何だか嬉しいものですね(笑)。
缶の表記によると、新潟県産の新米を使った新酒で、スペックは本醸造生原酒。
黄色の菊水との違いは、新米新酒という点だけなのかな?
蓋を開けると、旨味が強そうな香りが立ち上がってきます。
実際に飲んでみると、濃醇甘口で切れよし。
余韻には苦味が続きますが、後追いで酸味も感じられます。
切れが良いので飲み飽きはないでしょうが、野太いコクはなかなかタフなファイターでしょう。
酒好きな方が、グイッとあおるように飲むのが似合うお酒でした。
(了)
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