たまには不動産営業マンらしく、不動産購入に関するお話なぞ。
今、『フラット35』というローンの金利が安い。
『フラット35』とは昔の「住宅金融公庫」、今で言う「住宅金融支援機構」がバックについて各金融機関が取り扱っているローン商品だ。
大きな特徴は、借り入れ期間中は金利=返済金額が変わらない点。
そう、「安心」が最大の特徴。
これを書いている平成22年7月時点の金利は2.32%(SBI住宅ローン、21年以上の返済期間の場合)。
某都銀の10年固定金利が2.65%という事を考えるとその安さは際立つ。
※10年固定金利:当初10年間の金利が固定されているローン。10年経過後は固定期間再選択(銀行によるが、2・3・5・10年から選択可能)または変動金利に変わる。
審査基準も比較的単純なので自営業の方は借りやすいローンだ。
オススメ度はかなり高い。
逆に、金利が低いローンなのにちょっと使いにくいのが、「地銀」の住宅ローン。
3年固定金利1.15%(1.8%)
5年固定金利1.6%(2.05%)
10年固定金利1.9%(2.65%)
( )内の某都銀のローン金利と比べると、その安さがお分かりいただけるだろう。
しかし注意点がひとつ。
地銀のローンは一般的に、固定期間が終了した後の金利優遇幅が大きく減る。
※そもそも上記の金利も「基準金利」というものから金利の値引きをした後の数字だ。今や「基準金利」という「定価」で貸し出す銀行は一部を除いて、無い。
具体例を挙げてみよう。
3年固定金利1.15%、その元となる基準金利は2.9%。という事は基準金利から1.75%の金利優遇を受けている事になる。
これが固定期間終了後には金利優遇幅が1%にまで減る。
つまり、3年間の固定期間を終えた時、基準金利が今と同じ2.9%でも金利優遇幅が1%しかないため、次回も引き続き3年固定金利を選んだとしても金利は1.9%となる。
金利が上がっていないはずなのに、金利が上がるのだ。
知らずに借りてしまうと大変なことになるのでご注意を。
地銀のこの手のローンは、固定期間中に繰り上げ返済などで残額を減らすプランがある人やとにかく当初の金利が低いほうが良いという人にはオススメ可能。
変動金利というのもある。某都銀では0.975%という金利だ。
とても低い。
借りた後の仕組みはこうだ。
半年に一度、金利の見直しがある。
しかし半年おきに返済金額が変わる訳ではない。
5年に一度、5年間の(10回分の金利見直しの)結果が、返済金額に反映されるのだ。
ただし返済金額が上がったとしても元の返済金額の1.25倍が上限とされているので、急激に返済金額が上がるということは無い。
金利が上がってヤバそうであれば、いつでも固定金利に変更できるという身軽さもある。
「変動」というと何か怖い印象があるが、上手く付き合えば、案外いいやつなのだ。
金利動向に常に注意を払える方にはオススメしやすいローンだ。
ほんの2年前までは某都銀の10年固定金利が2%程度だったため、これが僕のオススメの主力商品だった。
しかし今は、フラット35がオススメの主力だ。
このように時代によりオススメローンは変わる。
僕が面白いなと思ったローンは、某外資系銀行のローンだが(「某」が多くて申し訳ない)、ローンを組んだ人がその銀行に預金があれば預金残高分の元本には金利が掛からないという商品。
2千万のローンに対して1千万の預金。
この場合には1千万円に対してのみ金利が掛かる。
2千万円の預金があれば金利は発生しない。
ただし前出の金利優遇は一切受けられないのだが。
このように最近はネット系の金融機関や外資系を含め、住宅ローンも多様化してきた。
僕たち不動産屋も昔の知識のみを頼ってステレオタイプにならないように日々の勉強を継続しなくては、お客様の知識に後れを取ってしまう。
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