多くの方が『お風呂に窓が欲しい』と言われます。
『換気に便利だから』という理由を挙げる方が多いんですよ。
換気扇が付いていない昔の住宅は窓がないと換気が出来ませんので、窓は必須でした。
でも換気扇が付いていれば窓を開けなくても換気が出来ます。
なので機能的には窓はなくても良さそうです。
それでも『換気をする時には窓を開けたい!』という方もいらっしゃるでしょう。
しかし、僕もここ何年かで知ったのですが、換気扇を回して換気をする時にお風呂の窓を閉めなくては、正しい換気が出来ないんですよ。
例えば、パナソニック電工のウェブサイトには、換気方法についてこのように書かれています。
1.入浴後にタオルなどで、浴室の水分を軽くふき取ります。
2.浴槽にお湯がある場合は風呂蓋をします。
3.窓を開け蒸気を出してから窓とドアを閉めます。
4.換気扇の電源を入れます。
大事なところなので、もう一度書きます。
『窓を開け蒸気を出してから窓とドアを閉めます。』
この文章のキモは、『窓を閉める』と書いてある箇所です。
少し説明を加えましょう。頭の中でイメージしながら読んで下さいね。
窓は比較的高い位置に取り付けられていますよね。
比較的高い位置にある窓を開け換気扇を回すと、窓と換気扇の間でしか空気のやり取りが行われません。
つまり浴室内の天井付近の空気しか入れ替わらず、窓よりもずーっと下に位置する床の空気は入れ替わりにくくなります。
そして、床が濡れている時間が長ければ長いほどカビは生えやすくなります。
窓と入口のドアを閉めて換気扇を回すとどうなるか?
入口ドアの下のほうに空気の通る隙間=通風口があることはご存知ですか?
換気扇を回すと床近くにある通風口から空気を吸いこみます。
吸い込まれた空気は浴室内の床の湿気と一緒に天井の換気扇に吸い上げられる事になります。
そうすると浴室全体の空気が入れ替わるので乾きが早くなり、カビが生える可能性が減ります。
『窓を開け蒸気を出してから窓とドアを閉めます。』とあるのに、『窓がないと蒸気が出ないじゃないか!』というご指摘もあるでしょう。
この場合は換気扇を回す時間を長めに設定すれば良いだけです。
僕の自宅では換気扇は5.5時間、タイマーで切れる様にして回していますが、8時間ほど回せば蒸気が逃げていなくても充分でしょう。
『だったら、窓がなくても良いかも・・・』
このお話をさせていただいたことで、窓あり浴室を希望されるお客さまに窓なし浴室のマンションを買っていただきました。
↓ココ大事なところ!
立地や間取りが自分にぴったりの物件なのに『お風呂に窓が付いているどうか』にこだわりすぎて、良い物件との縁を逃さないで欲しいんです。
逃した魚は意外と大きいんですよー(笑)。
※ちなみに僕の家のお風呂には窓が付いていますが、共用廊下側で人が通りますので窓を開けてお風呂に入っていても、自然と無言になってしまいます。また窓があると、冬は寒いんです。窓付きのお風呂を使ってみての印象ですが、思ったより良くないなぁと思っています(苦笑)。
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