今月のお酒
■五橋 純米生原酒白糀96
■華泉 無濾過生原酒
■初桜 特別純米生原酒 玉栄
■初桜 純米生原酒 みずかがみ
■白鶴 純米大吟醸 翔雲
■阿武の鶴 純米吟醸生原酒
6月は、なかなか面白いラインナップだったと思います。
五橋の白糀に始まり、広島では飲めない初桜、白鶴のきちんと作ったお酒、そして30年ぶりに醸造を再開した阿武の鶴。
後継者がいなくて廃業する蔵が多い中、とてもうれしい知らせでした。
(評価は、なし~★★★★★まで。個人の好みで評点をつけています。)
五橋 純米生原酒白糀96 ★★★
醸造元:酒井酒造(山口県)
近所の石川酒店で、1ヶ月ほど前に見かけたお酒。
ちょっと気になっていたので、買ってみることにしました。
何が気になるって、「白糀」で精米歩合「96%」ですよ!
面白そうでしょ?
何となく、甘酸っぱ系で米感有りそうかな、と当たりをつけての購入。
さてさて、どんな感じだったんでしょうか。
冷蔵庫でしっかり冷やしてからの開栓です。
香りは、やはり甘酸っぱそうで、辛さも内包している感じ。
含みは適度に甘酸っぱく、くどくなる前に酸がサラッと流してくれます。
プチ感もあり、うす濁りらしいオリのとろっと感も。
白糀らしい酸味は、そこまで強くないかなぁ。
50度台半ばまで温度を上げると、米感のある香りに、とろんとした口当たり。
後口には辛さ。
これはなかなか。
常温に近づいてもくどくならず、酸がきゅっと締めてくれます。
僕としては想像の域を出ていないんですが、この手のを初めて飲む人は、目をシロクロさせて驚くかもしれませんね。
華泉 無濾過生原酒 ★★★
醸造元:華泉酒造(島根県)
津和野の華泉酒造で買って帰ったお酒。
観光地にある蔵で、ラインナップは本醸造から純米系まで10種類ほどだったでしょうか。
今回は、アル添の無濾過生原酒を購入。
さてさて、どんな感じだったんでしょうか。
常温保管から開栓してみました。
辛さと酸を内包した香り。
飲んでみると一瞬カプ系の香りが感じられますが、まろやかな旨味と後口の辛味が基本線のようです。
ちょっとキツイかなと思い、ロックにしてみると、全体的にまろやかになり飲みやすくなりました。
そして、甘さが顔を出してきましたが、くどくなく、味に幅が出る良い甘さ。
その内に酸も出始め、なかなかゴキゲンで飲み進めることが出来ました。
初桜 特別純米生原酒 玉栄 ★★★
醸造元:安井酒造場(滋賀県)
先月アップした天井川(古橋酒造)と同じ日に蔵に訪れ、購入した初桜。
酒の佇まいからは田舎臭さはなく、酒質によっては面白いかもという印象を受けました。
さてさて、どんな感じだったんでしょうか。
冷蔵庫で冷やしてからの開栓です。
香りからは、コクと辛さがイメージできます。
含みは軽いコクと結構な辛さ。
そこに酸が覆いかぶさり、酸が効いた辛口酒という印象です。
少し経つと、香りからも味からも米感が感じられるように。
55度に温めてみたところ、酸の存在が薄くなって余韻は平坦になりましたが、軽い旨味と米感がしっかりと感じられます。
スリムな奥播磨といった具合でしょうか。
なかなか旨い酒でした。
初桜 純米生原酒 みずかがみ ★★★
醸造元:安井酒造場(滋賀県)
先にご紹介した、玉栄と同時購入したお酒で、滋賀の食米みずかがみを使った純米生原酒。
米違いによる味の違いは、僕には大して分からないんですけど、ま、折角なので。
こちらも冷蔵庫で冷やしてから開栓してみました。
辛そうな香り。
含みは辛さがグッと押し寄せてきますが、軽いコク、じんわり酸味、少しの米感も感じられます。
飲み続けると段々辛くなりますけど、玉栄ほどでは有りません。
米感の強弱は共通。
初桜は、米感と酸味に特徴がありますね。
個人的には、好きな部類のお酒でした。
白鶴 純米大吟醸 翔雲 ★★★
醸造元:白鶴酒造(兵庫県)
いただきものの、白鶴純米大吟醸。
大手が作るこの手の酒は、実は旨いんですよ。
期待感を込めて、冷蔵庫から出したてを開栓してみました。
立ち上がる香りは、大手の造る良いお酒の香り。
って、分かりにくいなぁ(苦笑)。
含みは辛さが強いけど、次第に甘さも出てきて、最後は苦味で締める感じ。
ちょっと辛いですけど、「うん、これこれ」な良い酒ですな。
二杯目以降は色々落ち着いてきて、程よい甘さとコクで飲みやすくなりました。
阿武の鶴純米吟醸生原酒★★
醸造元:阿武の鶴酒造(山口県)
山口県の日本海側にある阿武の鶴酒造。
僕が蔵まで酒を買いに行った時は、桶買いでしのがれていて、正直、いつまで持つのかという印象でした。
が、この度、跡継ぎが戻ってきて30年振りに醸造を再開。
どんどん蔵がなくなっている現状を考えると、拍手喝采な出来事です。
そして、澄川酒造場の設備を借りて醸したという、その酒を買いに、周南市の中嶋酒店まで出向いてまいりました。
さてさて、どんな酒なんでしょうか。
冷蔵庫でしっかりと冷やしてから、開栓です。
ビューティー系の華やかな香りに、少しのアルコール感。
含みは、クッと来るコクに甘さと苦味が。
少し置くと、酸が効いてきて酒質全体が穏やかになってきたものの、僕にはクドイなぁ。
ジューシーだけど、飽きが来る。
クドイ東洋美人って感じでしょうか。
試しに氷を入れてみましょ。
すると香りの華やかさは変わらず、コクと甘さが薄まり、酸のお陰で、すーんと伸びやかに広がり消える印象に。
開栓から1週間経つと、ようやくクドさが減ってきて、飲めるようになってきました。
これなら、昔買った上撰のほうが好きだなぁ。
ま、次の酒を期待して待ちましょう。
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