日本酒

2012年11月に家で飲んだ日本酒

日本酒
今月の掲載は5本。

いつもの月と比べれば少な目の本数だ。

しかし、最近は焼酎も飲んでいるので、アルコール摂取量としては多分変わりがないと思う。

しばらくは、軸足は日本酒に置いたままで焼酎も並行して飲むつもりだ。

今月は図らずも、栃木と福岡の酒が2本ずつ。

どれも特色があって面白かったが、今月のNO.1を決めるとすれば、やはり仙禽だろうなぁ。

知る限りでは、広島の酒販店では扱いがないのが残念だ。

どこか扱わないだろうか。

 
 
 
(評価は、なし~★★★★★で。好みでつけていますので参考に留めてください。)

 
 
 
◼️澤姫 生もと純米 ★★★
栃木県宇都宮市 井上清吉商店 720ml 1,313円 酒商山田@南区宇品海岸

 
栃木のお酒って、実は広島では珍しく、酒販店で購入(見かけた)もしくは飲食店で飲んだ(メニューで見た)事があるのは、鳳凰美田・東力士ぐらいだろうか。

いや、旭興や惣誉も飲んだことがあるかもしれない。

いずれにしても栃木県36蔵のうちのいくつかしか広島では飲めない。

本酒は、次に紹介する安佐泉を受け取りに酒商山田に行った際、見かけて購入。

燗にして良さそうだなと思ったのが購入動機だ。

本酒を醸す井上清吉商店は初めて聞く名前だが、調べてみると、蔵元兼杜氏はまだ30代で東京農業大学農学部醸造学科を卒業し、生家である当蔵に戻ってきたとのこと。

創業は1868年(明治元年)。

今の蔵元で4代目だそうだ。

栃木の水(鬼怒川伏流水)と栃木の米(とちぎ酒14:ひとごこちと豊盃のかけあわせ)で醸す酒こそが地酒というコンセプトの元、酒造りをされている。

開栓直後の瓶口からは、穏やかながらも生もとらしい香りが立ってくる。

飲み口はソフト。

まったりとした米の旨味と仕舞の軽い酸味が特徴だろうか。

燗にして飲んでみると、思ったほどの広がりはなくちょっと拍子抜けだったが、終始、地に足が着いた酒という印象だ。

地味ながらも旨い酒だと思う。

 
 
 
◼️安佐泉 上撰 ★ 広島市安佐南区 安佐酒造 1,800ml 1,920円 酒商山田@南区宇品海岸

 
毎年10月1日にアリスガーデンで日本酒イベントが開催されるのだが、今年の様子をツイッターでチェックしていると、あるはずのない酒がエントリーされている事に気づいた。

それが今回購入した安佐泉だ。

本酒を醸す安佐酒造は、創業年は不明。

現在では広島県酒造組合に加盟しているものの造りは行っておらず、酒も流通していないはず。

昨年、広島県内の蔵の酒を一通り飲んでみようと思い安佐酒造の所在地にも行ってみたんだが、酒造設備らしいものは見当たらず、唯一のなごりは軽トラのボディにペイントされた「あゆ太郎」の文字だけ。

そんな蔵の酒が広島県酒造組合主催のイベントに出品しているなんて。。。

当日は仕事の関係でイベントに行けず、これは飲み逃したかと思っていた矢先に、友人経由で入手することができた。

どうやら本酒は酒販店には卸していないそうで、蔵から取り寄せないと入手はできないとの事。

開栓初日。

恐る恐る常温で試してみると、醸造アルコール・糖類が添加された酒ならではの嫌な所は少なく、まろっとした口当たりでそこそこの旨さ。

後日60度まで温め、冷ましながら飲んでみると、熱い内は甘さが強調されて個人的には飲みにくいと感じた。

40度前半になると少しは飲みやすさが増してきたかな。

今はクローゼットで寝かせているので、ある程度の時が経ったら再度飲んでみようと思う。

なお、「広島の日本酒を特集した記事」も加筆しているので、興味がある方はそちらも参考にされたい。

 
 
 
◼️仙禽50 中取り無ろ過原酒 ★★★★
栃木県さくら市 株式会社せんきん 720ml 1,350円 とどろき酒店@福岡市博多区

今、一番好きな酒といっても過言ではないのが、栃木県の『仙禽』だ。

本酒との初対面はいつどこでだったか覚えていないが、その甘酸っぱい味わいは鮮烈に記憶に残っている。

広島市とその周辺地域では取り扱う酒販店がないため、日常的に飲むことができないのが残念である。

本酒を醸す株式会社せんきんは、1806年(文化3年)に栃木県の中央部に位置する塩谷郡氏家町(現:さくら市)にて創業。

創業当時の氏家町は、奥州街道・原方街道・会津中街道が通る町として栄えていたそうで、旅籠屋が35軒も立ち並んでいたとの事。

鬼怒川舟運の河港でもあったそうで、当時はずいぶんと繁栄していたものと思われる。

そんな地にある当蔵は栃木県内最古の酒蔵だが、2008年に新会社:株式会社せんきんに事業を譲渡し、心機一転。

現在は薄井一樹・真人兄弟により、酒造りが行われている。

酒は伝統工芸品。

全商品無ろ過原酒、高酸度、高甘度というコンセプトも他の蔵にはない独自性のあるものだ。

さて本酒の印象だが、酸の高そうな香りは健在。

実際に飲んでみてギュギュッと濃縮されたフルーティな旨味と甘みの広がりに驚いたが、切れの良さは抜群。

フルボディなのにしつこくなく、いつまでも飲む事ができそうだ。

期待したようなレベルの甘酸っぱさではなかったが、これはこれで、実に旨い。飲むたびに惚れる酒だ。

 
 
 
◼️独楽蔵 燗純米 ★★★
福岡県久留米市 株式会社杜の蔵 1,800ml 2,415円 石川酒店@西区古江西町

 
蔵については2011年10月の記事を参照の事。

本酒はふらりと寄った石川酒店で、燗にして旨いのありますかと聞いたところ、即答で勧められたので購入した次第。

開栓初日は鼻に抜ける辛さが目立ち、少し飲みにくい印象を受けた。

66度付近まで上げて飲んでみてもその印象は変わらなかったが、30度台まで冷めてくると甘さが強調された味わいを感じた。

開栓から1週間ほど経つと辛さは減退し、仕舞の酸味が目立つように。

なかなか旨い酒だとは思う。

 
 
 
◼️池亀 純米吟醸 黒兜 ★★★
福岡県久留米市 池亀酒造 720ml 1365円 フレスタ@西区天満町

 
蔵については2012年1月の記事を参照のこと。

本酒は焼酎の黒麹で仕込んだ酒で、以前飲んだ池亀の黒仕込みと同じだと記憶している。

黒仕込みの甘酸っぱいフレーバーが気に入っていたので本酒もそうなのかなと期待して購入した。

結論から言うと、黒仕込みほどの甘酸っぱさは感じられなかったが、同系統の酒であることは感じられた。

開栓時にはベリー系の甘い香りが感じられ、実際に飲んでみると、米の酒でありながら果実的な旨味が強く、平行して軽快な酸味が流れてくるのでしつこさはない。

ソーダ水で割っても面白かったのではないだろうか。

食中ではなく、晩酌に単独で飲むのが良かったように思う。

 
その他の日本酒に関する記事はこちらからご覧いただけます。

 
 
 
 

コメント

  1. だいちぱぱ より:
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    こんばんは。
    何時もながら、素晴らしい情報ありがとうございます。
    今ジャパニストという本を読んでいるのですが、そこに連載している原 伸介という方とかぶってみえます。お二方両方ともに魅力的です。ご活躍ください。
  2. oomin より:
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    原伸介さんという方を知らなかったものですから、調べてみますと炭焼職人の方なんですね。しかも公演や著書もある方のようですね。そんな方とかぶってみえるだなんて、恐縮です。

    僕は、飲んだ酒について調べてどーこー書いてるだけのただの酒飲みなんですよ。
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